気道微小病変に対するEndobronchial Ultrasonographyの適応と限界

気道病変のEndobronchial Ultrasonography(EBUS)による断層像で何が見えるのか, どこまでみえるのか, 1)超音波画像の原理, 2)気管支壁層構造の評価, 3)気管支壁の厚さの評価, 4)気管支軟骨の形態評価, 5)層構造の中に描出し得た病態, に沿って報告する. 細径プローブは20MHz(UM-3R, UM-S20-26R), 30MHz(UM-S30-25R, OLYMPUS)を使用した. 1)超音波画像の原理では, 分解能(距離, 方位分解能)の検討, 病変の場(肺外気管支, 肺内気管支など)の理解, 2)気管支壁層構造の評価ではmarginal echoの...

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Published in気管支学 Vol. 24; no. 3; p. 151
Main Authors 栗本典昭, 村山正毅, 宮津由香, 岩本康男, 宮沢輝臣
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 2002
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Summary:気道病変のEndobronchial Ultrasonography(EBUS)による断層像で何が見えるのか, どこまでみえるのか, 1)超音波画像の原理, 2)気管支壁層構造の評価, 3)気管支壁の厚さの評価, 4)気管支軟骨の形態評価, 5)層構造の中に描出し得た病態, に沿って報告する. 細径プローブは20MHz(UM-3R, UM-S20-26R), 30MHz(UM-S30-25R, OLYMPUS)を使用した. 1)超音波画像の原理では, 分解能(距離, 方位分解能)の検討, 病変の場(肺外気管支, 肺内気管支など)の理解, 2)気管支壁層構造の評価ではmarginal echoの検討, 3)正常気管支壁の厚さの検討, 気管支壁の厚さによる疾患分類の可能性, 気管支壁の厚い時の疾患(気管支結核, 気管支喘息, saber sheath型気管支軟化症), 薄いときの疾患(polycondritis, tracheobronchomegaly), 4)気管支軟骨の形態評価では, 圧排, 先細り, 島状の軟骨などの所見を認めた. 5)層構造の中に描出し得た病態には, 上皮下組織内の増生したcollagen fibers, 腫瘍組織近傍の気管支軟骨の外側のリンパ球浸潤があり, 特にリンパ球浸潤と腫瘍浸潤の鑑別が今後の解決すべき課題であった.
ISSN:0287-2137