気管・中枢気管支病変の3次元CT(3DCT)

ヘリカルCTもしくはmultidetector-rowCT(MDCT)で得られたCTデータの3次元表示は, CT angiographyや骨疾患など様々な領域で盛んに利用されている. 気管・気管支は内腔に空気を有するため, 3DCTを応用しやすい領域であり, かなりの施設で日常的に使用される表示法として定着しているものと思われる. 今回我々は産業医科大学で経験された気管・気管支病変の3DCTについて検討を加えたので報告する. 経験された症例は原発性肺癌, 気管支カルチノイド, 気管顆粒細胞腫, 気管転移等の気管・気管支腫瘍や気管外腫瘍による気管への浸潤の他に, 気管気管支結核, 再発性多発性軟...

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Published in気管支学 Vol. 22; no. 7; p. 563
Main Authors 渡辺秀幸, 三島慶子, 中田肇, 大崎敏弘, 安元公正, 城戸優光
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 2000
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Summary:ヘリカルCTもしくはmultidetector-rowCT(MDCT)で得られたCTデータの3次元表示は, CT angiographyや骨疾患など様々な領域で盛んに利用されている. 気管・気管支は内腔に空気を有するため, 3DCTを応用しやすい領域であり, かなりの施設で日常的に使用される表示法として定着しているものと思われる. 今回我々は産業医科大学で経験された気管・気管支病変の3DCTについて検討を加えたので報告する. 経験された症例は原発性肺癌, 気管支カルチノイド, 気管顆粒細胞腫, 気管転移等の気管・気管支腫瘍や気管外腫瘍による気管への浸潤の他に, 気管気管支結核, 再発性多発性軟骨炎, tracheopathia osteochondroplasticaなど腫瘍外病変を含んでいる. 3DCTの利点としては, 気管・気管支の状態が一目で観察できること, 任意の方向からの観察が可能であること, 及び通常の断層面では描出しづらい扁平な病変も描出可能であることが挙げられた. 今後は, MDCTの普及により, 更なる体軸方向の空間分解能向上が期待され, 肺門部早期癌など微細な病変への応用が期待されるものと思われる.
ISSN:0287-2137