気管支洗浄液及び胃液よりM. aviumを検出したレジオネラ肺炎の1例

【症例】65歳, 男性. 【現病歴】1998年7月10日より, 発熱, 咳嗽, 左胸痛が出現し, 近医を受診し胸部レントゲン写真上左下肺野に異常陰影を指摘された. βラクタム剤を投与されたが改善せず, 精査治療のため同8月7日本院入院となった. 【入院後経過】入院後カルベペネムを投与したが改善せず異形肺炎が考えられた. 気管支鏡検査による気管支洗浄液及び胃液からM. aviumが検出されたため, 非定型抗酸菌症としてRFP, CAMを含む化学療法を開始したところ, 胸部陰影の著明な改善を認めた. 化学療法開始後レジオネラ抗体価が256倍であることが判明した. 確認のため行った喀痰レジオネラPC...

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Published in気管支学 Vol. 22; no. 4; p. 314
Main Authors 青木弘道, 峯岸裕司, 渡部厚一, 岡野哲也, 橋本健一, 林原賢治, 斎藤武文, 渡辺定友
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 2000
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Summary:【症例】65歳, 男性. 【現病歴】1998年7月10日より, 発熱, 咳嗽, 左胸痛が出現し, 近医を受診し胸部レントゲン写真上左下肺野に異常陰影を指摘された. βラクタム剤を投与されたが改善せず, 精査治療のため同8月7日本院入院となった. 【入院後経過】入院後カルベペネムを投与したが改善せず異形肺炎が考えられた. 気管支鏡検査による気管支洗浄液及び胃液からM. aviumが検出されたため, 非定型抗酸菌症としてRFP, CAMを含む化学療法を開始したところ, 胸部陰影の著明な改善を認めた. 化学療法開始後レジオネラ抗体価が256倍であることが判明した. 確認のため行った喀痰レジオネラPCRも陽性であった. 以上より胸部異常陰影の改善が早いことも含めてレジオネラ肺炎と診断した. 【まとめ】M. aviumのコロニゼーションを伴ったレジオネラ肺炎の1例を報告した.
ISSN:0287-2137