肺結核診断における気管支鏡検査の有用性の検討

〔目的〕気管支鏡により菌を検出し診断に至った症例の分析から肺結核の診断における気管支洗浄液結核菌PCR法の有用性について検討すること. 〔対象・方法〕1998年1月から翌年5月末までに気管支鏡を施行した菌陽性肺結核症例で入院時抗酸菌塗抹陰性かつPCR陰性であった症例のうち, 気管支鏡検査による検体で抗酸菌塗抹, PCRのいずれかの方法で菌陽性が証明された肺結核8例を対象に背景因子と検体別の菌所見について検討した. 〔結果〕8例中2例が気管支洗浄液抗酸菌塗抹陽性, その他は培養, PCR法陽性であった. 結核菌PCR法が迅速診断上有用であったのは3例, 菌検出上有用であったのは1例, 偽陽性が3...

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Published in気管支学 Vol. 22; no. 2; p. 143
Main Authors 峯岸裕司, 渡部厚一, 岡野哲也, 青木弘道, 橋本健一, 林原賢治, 斉藤武文, 渡辺定友
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 2000
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Summary:〔目的〕気管支鏡により菌を検出し診断に至った症例の分析から肺結核の診断における気管支洗浄液結核菌PCR法の有用性について検討すること. 〔対象・方法〕1998年1月から翌年5月末までに気管支鏡を施行した菌陽性肺結核症例で入院時抗酸菌塗抹陰性かつPCR陰性であった症例のうち, 気管支鏡検査による検体で抗酸菌塗抹, PCRのいずれかの方法で菌陽性が証明された肺結核8例を対象に背景因子と検体別の菌所見について検討した. 〔結果〕8例中2例が気管支洗浄液抗酸菌塗抹陽性, その他は培養, PCR法陽性であった. 結核菌PCR法が迅速診断上有用であったのは3例, 菌検出上有用であったのは1例, 偽陽性が3例であった. 〔結論〕核酸増幅同定法を併用した気管支鏡検査は少数例ながら菌検出上・迅速診断上有用であった.
ISSN:0287-2137