気道狭窄のステント拡張術後に気道感染および自然逸脱を生じた1例

8年前に子宮頚癌IIb期に対し手術を施行された. その後無担癌生存で経過していたが, 嗄声を契機に胸部異常影を指摘された. 精査にて縦隔リンパ節腫大による右主気管支の高度狭窄と頚部リンパ節腫大を認めた. 頚部リンパ節生検の結果, 扁平上皮癌の転移と判明. 気道再開通目的に気管狭窄部へシリコンダイナミックステントを挿入. その後, 縦隔に放射線治療を施行中, 喉頭炎が原因と思われる高熱を呈し, 喀痰培養よりMRSAが検出, 肺炎も併発した. 難渋したが抗生剤投与により軽快した. 排痰困難に対する気管支鏡施行後4日目に, 胸部写真にてステントの自然逸脱が認められ, 留置後81日目に緊急に気管切開下...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in気管支学 Vol. 21; no. 7; p. 520
Main Authors 神谷紀輝, 品田純, 後藤毅, 吉村博邦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 1999
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:8年前に子宮頚癌IIb期に対し手術を施行された. その後無担癌生存で経過していたが, 嗄声を契機に胸部異常影を指摘された. 精査にて縦隔リンパ節腫大による右主気管支の高度狭窄と頚部リンパ節腫大を認めた. 頚部リンパ節生検の結果, 扁平上皮癌の転移と判明. 気道再開通目的に気管狭窄部へシリコンダイナミックステントを挿入. その後, 縦隔に放射線治療を施行中, 喉頭炎が原因と思われる高熱を呈し, 喀痰培養よりMRSAが検出, 肺炎も併発した. 難渋したが抗生剤投与により軽快した. 排痰困難に対する気管支鏡施行後4日目に, 胸部写真にてステントの自然逸脱が認められ, 留置後81日目に緊急に気管切開下にステント抜去を行った. 50Gyの放射線治療でPRが得られ治療は終了. 現在再狭窄なく生存中である.
ISSN:0287-2137