気管支洗浄液Mycobacterium avium complexを検出した中葉症候群に関する検討

[目的]中葉症候群とMycobacterium avium complex(以下MAC)感染との関連性を検討する目的で, 同症候群患者の気管支洗浄液の抗酸菌検索を行った. [対症]対症は1988年~1997年の10年間に本院を受診した, 中葉あるいは舌区に陰影を有する“中葉舌区症候群”患者で, 気管支鏡検査を施行した138症例(男性40例, 女性98例). [方法]陰影の存在する中葉あるいは舌区を気管支鏡下に洗浄し回収液の抗酸菌培養・同定を行った. [結果]1)138例中24例(17.3%)で気管支洗浄液にて非定型抗酸菌を検出, 全例女性, 平均年齢57歳(40歳~81歳)であった. 2)同定...

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Published in気管支学 Vol. 20; no. 3; p. 259
Main Authors 渡邊茂樹, 佐々木信, 伊藤穣, 河村哲治, 中原保治, 望月吉郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 1998
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Summary:[目的]中葉症候群とMycobacterium avium complex(以下MAC)感染との関連性を検討する目的で, 同症候群患者の気管支洗浄液の抗酸菌検索を行った. [対症]対症は1988年~1997年の10年間に本院を受診した, 中葉あるいは舌区に陰影を有する“中葉舌区症候群”患者で, 気管支鏡検査を施行した138症例(男性40例, 女性98例). [方法]陰影の存在する中葉あるいは舌区を気管支鏡下に洗浄し回収液の抗酸菌培養・同定を行った. [結果]1)138例中24例(17.3%)で気管支洗浄液にて非定型抗酸菌を検出, 全例女性, 平均年齢57歳(40歳~81歳)であった. 2)同定された菌はすべてMACであった. 3. 受診動機は胸部異常影14例, 血痰7例, 咳嗽3例, 微熱1例で, 全例基礎疾患を認めなかった. [考察]中葉舌区症候群の原因の一つとしてMAC症が考えられ, 積極的に気管支鏡検査を行う必要があると考えられた.
ISSN:0287-2137