パネルディスカッション
症例は48歳, 女性. 1995年秋より咳嗽を認め, 近医にて投薬を受けるも軽快せず, 1996年2月当院に紹介入院. 胸部X線は右側の無気肺陰影を認めた. 気管支鏡にて右中間幹に, 白苔を伴う腫瘤がほぼ全周を占めるように認められた. 気管支粘膜との癒着はなく下部からポリープ状に突出していると思われ, カルチノイド, 粘表皮癌, もしくは消化管癌の転移などが考えられたが, 生検にて消化管の癌が疑われた. 精査の結果, S状結腸に癌を認め, かなりの狭窄をきたしており, 閉塞の危険が大きいため外科にてS状結腸摘除術施行. 原発巣が完全に摘出でき, 呼吸器症状が残存するため, その後右中下葉切除術...
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Published in | 気管支学 Vol. 18; no. 6; pp. 624 - 625 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本気管支学会
1996
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0287-2137 |
Cover
Summary: | 症例は48歳, 女性. 1995年秋より咳嗽を認め, 近医にて投薬を受けるも軽快せず, 1996年2月当院に紹介入院. 胸部X線は右側の無気肺陰影を認めた. 気管支鏡にて右中間幹に, 白苔を伴う腫瘤がほぼ全周を占めるように認められた. 気管支粘膜との癒着はなく下部からポリープ状に突出していると思われ, カルチノイド, 粘表皮癌, もしくは消化管癌の転移などが考えられたが, 生検にて消化管の癌が疑われた. 精査の結果, S状結腸に癌を認め, かなりの狭窄をきたしており, 閉塞の危険が大きいため外科にてS状結腸摘除術施行. 原発巣が完全に摘出でき, 呼吸器症状が残存するため, その後右中下葉切除術施行. 摘出標本では, 右S^8 に転移巣が認められ, そこからポリープ状に気管内腔を上行する腫瘤を認めた. 気管支鏡所見より種々の鑑別を要する興味ある1例と思われたので報告した. |
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ISSN: | 0287-2137 |