I型多発性内分泌腺腫蕩症(MEN type I)に合併した気管支カルチノイドに対し, 気管支鏡下レーザー焼灼術を施行した1例

症例:67歳, 男性. 既往歴:昭和55年, 十二指腸カルチノイドにて膵頭十二指腸切除. 平成元年, 副甲状腺過形成, 及び胸腺カルチノイドにて副甲状腺3.5葉切除, 胸腺摘除. 平成2年, 膵インスリノーマにて膵腫瘍切除. 現病歴:尿路結石に起因する背部痛にて他院受診時, 胸部CTにて気管支内腫瘍指摘され, 気管支鏡下生検にて右底幹入口部気管支カルチノイドと診断された. 経過:平成7年12月19日, 全身麻酔下に気管支鏡下レーザー焼灼術を施行した. 腫瘍は, 右B^7 入口部より底幹を閉塞するように突出しており, 易出血性であった. 非接触型のNd-YAGレーザーにより焼灼し, 右底幹の開存...

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Published in気管支学 Vol. 18; no. 5; p. 521
Main Authors 里博文, 長澤みゆき, 鈴村雄治, 神頭徹, 北野司久, 松村栄久, 種田和清
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 1996
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Summary:症例:67歳, 男性. 既往歴:昭和55年, 十二指腸カルチノイドにて膵頭十二指腸切除. 平成元年, 副甲状腺過形成, 及び胸腺カルチノイドにて副甲状腺3.5葉切除, 胸腺摘除. 平成2年, 膵インスリノーマにて膵腫瘍切除. 現病歴:尿路結石に起因する背部痛にて他院受診時, 胸部CTにて気管支内腫瘍指摘され, 気管支鏡下生検にて右底幹入口部気管支カルチノイドと診断された. 経過:平成7年12月19日, 全身麻酔下に気管支鏡下レーザー焼灼術を施行した. 腫瘍は, 右B^7 入口部より底幹を閉塞するように突出しており, 易出血性であった. 非接触型のNd-YAGレーザーにより焼灼し, 右底幹の開存を得た. 考察:気管支カルチノイドは, 一般肺癌に準じて術式を選択する事が多いが, 本症例はMEN type Iで多臓器カルチノイドを合併しており, 肺機能温存のために当術式を選択した. 他臓器カルチノイドの発生, 再焼灼の時期など含め, 経過観察中である.
ISSN:0287-2137