気管支肺胞洗浄施行症例における臨床診断への有用性の検討

〔目的〕気管支肺胞洗浄(BAL)は, 80年代になり, リンパ球サブセットの識別が可能になってきたことにより診断, 治療指針など臨床的意義が検討され, 現在日常診療においても, サルコイドーシス, 過敏性肺臓炎をはじめとする, びまん性肺疾患の診断のため, 多くの診療情報をもたらす有用な検査方法のひとつとなっている. 今回, BAL施行症例について, そのBAL所見の臨床診断への有用性について検討した. 〔対象〕当院における過去3年間のBAL施行例, 32症例について, BALF細胞分画及びリンパ球サブセットについて検討した. 〔結果〕症例の臨床診断の内訳は, サルコイドーシスが7例, 特発性...

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Published in気管支学 Vol. 18; no. 3; p. 35
Main Authors 間瀬裕司, 山田由香, 秋田裕子, 新美岳, 馬嶋邦通, 吉川公章, 森下宗彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 1996
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ISSN0287-2137

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Summary:〔目的〕気管支肺胞洗浄(BAL)は, 80年代になり, リンパ球サブセットの識別が可能になってきたことにより診断, 治療指針など臨床的意義が検討され, 現在日常診療においても, サルコイドーシス, 過敏性肺臓炎をはじめとする, びまん性肺疾患の診断のため, 多くの診療情報をもたらす有用な検査方法のひとつとなっている. 今回, BAL施行症例について, そのBAL所見の臨床診断への有用性について検討した. 〔対象〕当院における過去3年間のBAL施行例, 32症例について, BALF細胞分画及びリンパ球サブセットについて検討した. 〔結果〕症例の臨床診断の内訳は, サルコイドーシスが7例, 特発性間質性肺炎が4例, 過敏性肺臓炎が3例, 慢性好酸球性肺炎が3例, BOOPが2例, 急性好酸球性肺炎が2例, 器質化肺炎・肺気腫か各1例であり, 診断未確定症例は9例であった. 〔結論〕BALは, それのみで確定が可能な疾患はごく限られているが, 日常診療においては, 診断の鑑別のために非常に有用であると考えられた.
ISSN:0287-2137