当科に於ける肺野末梢病変に対する透視下気管支鏡検査の現状

当科に於いて1993年4月1日から1994年3月31日の一年間に施行された末梢病巣に対する透視下検査は393件であり, その内294件が透視下気管支鏡検査であった. 透視下気管支鏡検査の適応は胸部X線写真上陰影の確認できる病変の内, 血管性病変が確定したものを除き, 大きさ, 部位に原則として依存しない. 全例に検査内容, 合併症の説明の後, 承諾書を求めている. 検査前に必要とする画像診断検査としては, 胸部正面, 両側面X線写真及び胸部単純CT写真を基本とし, 必要に応じ胸部断層写真を追加している. 検査は透視下気管支鏡検査専用の透視室で行い, 二方向透視可能なX線透視装置を用いることで,...

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Published in気管支学 Vol. 17; no. 3; p. 53
Main Authors 小林寿光, 山田公人, 勝海東一郎, 鉄田聡哉, 藤岡薫, 清水恵理子, 鬼頭隆尚, 斉藤誠, 中村治彦, 小中千守, 加藤治文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 1995
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Summary:当科に於いて1993年4月1日から1994年3月31日の一年間に施行された末梢病巣に対する透視下検査は393件であり, その内294件が透視下気管支鏡検査であった. 透視下気管支鏡検査の適応は胸部X線写真上陰影の確認できる病変の内, 血管性病変が確定したものを除き, 大きさ, 部位に原則として依存しない. 全例に検査内容, 合併症の説明の後, 承諾書を求めている. 検査前に必要とする画像診断検査としては, 胸部正面, 両側面X線写真及び胸部単純CT写真を基本とし, 必要に応じ胸部断層写真を追加している. 検査は透視下気管支鏡検査専用の透視室で行い, 二方向透視可能なX線透視装置を用いることで, 画像診断上の病変部位との直接対比が可能である. よって透視下に陰影の同定が難しい症例に於いても気管支鏡下肺生検を行っている. 検査自体は電子気管支鏡を用い, 中枢病変に対する気管支鏡検査に準じた検査の後, 透視下検査を行う. 検査内容は, 鉗子による生検(TBLB), シース付きブラシによる擦過細胞診(TV-brushing), 洗浄細胞診(BAL)を行い, 病変の性状により針穿刺吸引細胞診を追加する. 肺癌の診断に於いては陰影の部位, 性状により難易度の差はあるが, 明確な限界は無いと考える. この検査結果の詳細と合わせ報告する.
ISSN:0287-2137