肺アスペルギロームに対しフルコナゾール経気管支的投与にて経過観察中多量喀血をきたした1例

71歳, 女性. 主訴は喀血で胸部レントゲン上右上肺野に空洞と充実性陰影指摘され当院紹介. 肺アスペルギロームの診断で平成6年1月よりイトラコナゾール100mg/day経口投与及び4月までに計3回のフルコナゾール10mgの経気管支的投与を行った. 肺アスペルギロームは縮小傾向を認めたが, 4月末より多量喀血を繰り返す為動脈造影を施行, 気管支動脈系, 腕頭動脈系からの栄養血管と著明な血管増生を認め塞栓術により止血した. 5月よりアンホテリシンB25mg/dayの経皮的注入開始し著明な改善が認められた. 合併症としての出血を予防する為, 局所注入療法前は動脈造影, 塞栓術を行うべきであると考えら...

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Published in気管支学 Vol. 16; no. 6; pp. 591 - 592
Main Authors 大森亨, 野口久, 佐藤郁世, 広瀬敬, 望月俊男, 杉原佐知子, 深浦麻人, 大西司, 中島宏昭, 足立満
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 1994
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Summary:71歳, 女性. 主訴は喀血で胸部レントゲン上右上肺野に空洞と充実性陰影指摘され当院紹介. 肺アスペルギロームの診断で平成6年1月よりイトラコナゾール100mg/day経口投与及び4月までに計3回のフルコナゾール10mgの経気管支的投与を行った. 肺アスペルギロームは縮小傾向を認めたが, 4月末より多量喀血を繰り返す為動脈造影を施行, 気管支動脈系, 腕頭動脈系からの栄養血管と著明な血管増生を認め塞栓術により止血した. 5月よりアンホテリシンB25mg/dayの経皮的注入開始し著明な改善が認められた. 合併症としての出血を予防する為, 局所注入療法前は動脈造影, 塞栓術を行うべきであると考えられた.
ISSN:0287-2137