胸腔鏡下肺部分切除術

近年, ビデオカメラを応用した胸腔鏡下胸部手術(以下, VATS)が広く行われるようになった. 当教室でのVATSの成績と症例を供覧する. 1993年9月以降, 当教室において23例に対し計27件のVATSを行った. 対象疾患は自然気胸が13例57%と最も多く, ついで原因不明の胸水が4例17%を占めたが, すべて癌性胸膜炎との確定診断を得たのち, 引き続いて胸腔内灌流式温熱療法を行った. 手術手技は, 楔状切除が17件63%を占め最も多かった. 合併症は遷延するair leakageが2例8.7%に認められたのみであり悪性疾患を除き, 全例軽快退院した. 自然気胸例についての開胸群とVATS...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in気管支学 Vol. 16; no. 4; p. 427
Main Authors 加藤真司, 永田昌久, 朴一彦, 近藤一男, 吉原正, 土岡弘通
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 1994
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:近年, ビデオカメラを応用した胸腔鏡下胸部手術(以下, VATS)が広く行われるようになった. 当教室でのVATSの成績と症例を供覧する. 1993年9月以降, 当教室において23例に対し計27件のVATSを行った. 対象疾患は自然気胸が13例57%と最も多く, ついで原因不明の胸水が4例17%を占めたが, すべて癌性胸膜炎との確定診断を得たのち, 引き続いて胸腔内灌流式温熱療法を行った. 手術手技は, 楔状切除が17件63%を占め最も多かった. 合併症は遷延するair leakageが2例8.7%に認められたのみであり悪性疾患を除き, 全例軽快退院した. 自然気胸例についての開胸群とVATS群の比較検討ではVATS群の術中出血量が有意に少なかった. また縦隔腫瘍, 肺転移, 肺生検, 巨大ブラ, 肺線維腫に対するVATSの5例をビデオにて供覧する.
ISSN:0287-2137