気管支原発leiomyomaの1例

気管支原発平滑筋腫は稀な疾患であるが, 今回我々は, 肺炎を契機に発見され, 気管支切開にて外科的に腫瘍を摘出しえた症例を経験したので報告する. 症例は43歳, 男性. 肺炎治癒後の胸部断層写真で左上葉入口部内腔に突出する腫瘤様陰影が認められた. 気管支鏡にて左上葉入口部をほぼ閉塞するポリープ状の腫瘤が発見された. 術前の確定診断は得られなかったが, 良性腫瘍の診断のもとに, 気管支切開にて腫瘍を摘出し, 病理組織は平滑筋腫であった. 本症の場合, 腫瘍より末梢の機能が温存されている場合には, 肺機能を温存する術式が望まれ早期診断が必要である. 閉塞性肺炎, 無気肺の症例に対して, 積極的な気...

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Published in気管支学 Vol. 15; no. 6; p. 609
Main Authors 毛利孝, 小林仁, 小西一樹, 菰田研二, 佐々木達哉, 笹生俊一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 1993
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Summary:気管支原発平滑筋腫は稀な疾患であるが, 今回我々は, 肺炎を契機に発見され, 気管支切開にて外科的に腫瘍を摘出しえた症例を経験したので報告する. 症例は43歳, 男性. 肺炎治癒後の胸部断層写真で左上葉入口部内腔に突出する腫瘤様陰影が認められた. 気管支鏡にて左上葉入口部をほぼ閉塞するポリープ状の腫瘤が発見された. 術前の確定診断は得られなかったが, 良性腫瘍の診断のもとに, 気管支切開にて腫瘍を摘出し, 病理組織は平滑筋腫であった. 本症の場合, 腫瘍より末梢の機能が温存されている場合には, 肺機能を温存する術式が望まれ早期診断が必要である. 閉塞性肺炎, 無気肺の症例に対して, 積極的な気管支鏡検査が施行されるべきであると考えられた.
ISSN:0287-2137