癌性気管支狭窄に対するDacron mesh張りExpandable metallic stentの使用経験

1985年にGianturcoらによって開発されたexpandable metallic stent(EMS)は, 近年気管気管支系にも応用されるようになってきた. しかし一般に, 腫瘍による浸潤性狭窄に対してはステントの間より腫瘍が突出増殖するため有用性が少ないとされている. 今回我々は, 患側気管支が腫瘍によってほぼ完全に閉塞され, 対側へも浸潤がみられた癌性の浸潤性気管支狭窄に対して, Dacron mesh張りEMSを使用した. 腫瘍がかなり大きく対側へも及び易出血性であったが, その利点を生かして重篤な合併症をおこさず安全に留置し気道確保に有用であった. その長期安全性が確立されてい...

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Published in気管支学 Vol. 15; no. 3; p. 311
Main Authors 樺沢ひろ子, 橋本修, 雨宮英子, 西沢久美, 井上昌彦, 弘田達哉, 河村俊明, 安部幹雄, 谷川恵, 堀江孝至
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 1993
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Summary:1985年にGianturcoらによって開発されたexpandable metallic stent(EMS)は, 近年気管気管支系にも応用されるようになってきた. しかし一般に, 腫瘍による浸潤性狭窄に対してはステントの間より腫瘍が突出増殖するため有用性が少ないとされている. 今回我々は, 患側気管支が腫瘍によってほぼ完全に閉塞され, 対側へも浸潤がみられた癌性の浸潤性気管支狭窄に対して, Dacron mesh張りEMSを使用した. 腫瘍がかなり大きく対側へも及び易出血性であったが, その利点を生かして重篤な合併症をおこさず安全に留置し気道確保に有用であった. その長期安全性が確立されていないため今後更に検討が必要であろう.
ISSN:0287-2137