悪性関節リウマチのリハビリテーションに関する私達の経験

2例の悪性関節リウマチ(MRA)を経験したが, 1例は治療(D-ペニシラミン)に反応し, 様々な合併症を克服しリハビリテーションの効果もあがり, 家庭に復帰できたが, 他の1例は一時家庭へ復帰できたように思えたが, すぐに腎不全のため再入院後死亡した. 血管炎を伴うRA患者にはその病変臓器, 進行度, 予後などからより総合的なアプローチが必要である. 「はじめに」慢性関節リウマチ(以後RAと略す)は, 関節痛を主症状として, それに体重減少, 貧血, 血沈促進, 高γ-グロブリン血症などを伴う全身の系統的疾患であるが, 徐々に進行する例が多く, 関節の機能障害を引きおこし, 皮下結節, 鞏膜炎...

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Published in川崎医学会誌 Vol. 4; no. 3; pp. 193 - 198
Main Authors 土肥信之, 明石 謙, 長谷川寿美玲, 長尾史博, 日野洋介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 川崎医学会 1978
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Summary:2例の悪性関節リウマチ(MRA)を経験したが, 1例は治療(D-ペニシラミン)に反応し, 様々な合併症を克服しリハビリテーションの効果もあがり, 家庭に復帰できたが, 他の1例は一時家庭へ復帰できたように思えたが, すぐに腎不全のため再入院後死亡した. 血管炎を伴うRA患者にはその病変臓器, 進行度, 予後などからより総合的なアプローチが必要である. 「はじめに」慢性関節リウマチ(以後RAと略す)は, 関節痛を主症状として, それに体重減少, 貧血, 血沈促進, 高γ-グロブリン血症などを伴う全身の系統的疾患であるが, 徐々に進行する例が多く, 関節の機能障害を引きおこし, 皮下結節, 鞏膜炎, 肺臓炎などの関節外症状を呈してくることもあり, それらの治療はリウマチの原因が尚不明である現在, 対症的治療にたよらざるをえないのが現状であり, リハビリテーションの占める割合の大きい疾患といえる.
ISSN:0386-5924