26. PCR法による小児口腔内からの歯周病原性細菌の検出

【目的】今回, 我々は, Porphyromonas gingivalis (P. g), Actinobacillus actinomycetemcomitans (A. a), Prevotella intermedia (P. i)およびBacteroides forsythus (B. f)の4菌種の小児口腔内からのPCR法による検出を行い, これらの検出結果と臨床診査との関係について検討した. 【対象および方法】対象は本学小児歯科外来を受診し, 全身的に健康な小児37名である. 上顎右側中切歯(FDI11)と上顎右側第一大臼歯(FDI16)を被験歯とし, これらの近心唇側, 頬側面か...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in昭和歯学会雑誌 Vol. 24; no. 1; pp. 70 - 71
Main Authors 倪雪岩, 伊田博, 井上美津子, 佐々龍二, 五十嵐武, 後藤延一, 鈴木基之, 長谷川紘司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 昭和大学・昭和歯学会 2004
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:【目的】今回, 我々は, Porphyromonas gingivalis (P. g), Actinobacillus actinomycetemcomitans (A. a), Prevotella intermedia (P. i)およびBacteroides forsythus (B. f)の4菌種の小児口腔内からのPCR法による検出を行い, これらの検出結果と臨床診査との関係について検討した. 【対象および方法】対象は本学小児歯科外来を受診し, 全身的に健康な小児37名である. 上顎右側中切歯(FDI11)と上顎右側第一大臼歯(FDI16)を被験歯とし, これらの近心唇側, 頬側面から歯肉縁上プラークを採取後, DNA抽出したものを供試した. PCR反応には, Ashimotoら1), Amanoら2)の報告に従い菌種特異的なバンドを検出し, 細菌の有無を判定した. また, 臨床診査は口腔内診査, Probing Depth, およびBOPの有無について行った. 【結果】部位別の検出率において, FDI11ではP. g, B. f, A. a, P. iの順で高く, FDI16では, P. g, P. i, A. a, B. fの順で高かった. FDI11とFDI16のB. fの検出率に有意差があった. 年齢別では, A. a, P. i, B. fの検出率は混合歯列期に高く, 永久歯列完成期では低い傾向を示した. FDI11およびFDI16では, A. a, P. i, B. f,の3菌種の組み合わせによる検出が多かった. また, BOPの有無と検出菌種との関係では, 3菌種以上の検出率はBOP(-)に比べBOP(+)の方が高かった. 未検出の割合は, BOP(+)で0%, BOP(-)で8%であった. 【参考文献】1)Ashimoto A, et al. :Oral Microbiol Immunol, 11:266-273, 1996. 2)Amano A, et al.:J Periodontol, 71:249-255, 2000.
ISSN:0285-922X