Nd:YAGレーザーによる象牙質知覚過敏症への応用に関する基礎的および臨床的研究
研究目的 象牙質知覚過敏症の治療は, 今日まで数多くの方法が試みられてきた. 本実験は, Nd:YAGレーザーに注目し, いくつかの治療法を比較することである. 材料と方法 出力2W, 周波数20pps, エネルギー100mJ, 波長1064nmで照射し, 照射条件により4つのグループに分けた. グループA 過敏部に墨を塗布し, 1回約0.5秒で5回照射した. グループB 過敏部に墨を塗布し, 1回約0.5秒で10回照射した. グループC 過敏部からファイバー先端を約10cm離した所より, 連続で1分間照射した. グループD 過敏歯の根尖相当部からファイバー先端を約5cm離した所より, 連続で...
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Published in | 昭和歯学会雑誌 Vol. 18; no. 1; pp. 112 - 113 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
昭和大学・昭和歯学会
1998
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Summary: | 研究目的 象牙質知覚過敏症の治療は, 今日まで数多くの方法が試みられてきた. 本実験は, Nd:YAGレーザーに注目し, いくつかの治療法を比較することである. 材料と方法 出力2W, 周波数20pps, エネルギー100mJ, 波長1064nmで照射し, 照射条件により4つのグループに分けた. グループA 過敏部に墨を塗布し, 1回約0.5秒で5回照射した. グループB 過敏部に墨を塗布し, 1回約0.5秒で10回照射した. グループC 過敏部からファイバー先端を約10cm離した所より, 連続で1分間照射した. グループD 過敏歯の根尖相当部からファイバー先端を約5cm離した所より, 連続で1分間照射した. 診査は, 術前, 術直後, 1週間後, 1か月後, 3か月後に行い, 統計学的分析は分散分析を用いた. 結果 グループAは, 治療直後, 1週間後, 1か月後までは明らかに効果が認められたが, 3か月後になると効果が減弱していた. グループBは, 治療直後, 1週間後, 1か月後, 3か月後ともに, 明らかな効果が認められた. グループCは, 治療直後, 1週間後, 1か月後, 3か月後ともに, 明らかな効果が認められた. グループDは, 治療直後, 1週間後には明らかな効果が認められたが, 1か月後と, 特に3か月後においては効果が減弱していた. 考察 今回の実験において, 象牙質知覚過敏症にレーザー照射を行った際の治癒メカニズムは, 象牙質表面の一層を溶解することにより, 外来刺激を遮断することだけでなく, 他の作用に起因するものが考えられる. 結論 すべての照射条件について, 術前と比べて除痛効果が認められた(p<0.001). また, すべてのグループの中で, グループBとグループCが効果的であった. |
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ISSN: | 0285-922X |