咬合拳上床を用いた時の咬合力と全身の筋肉との関係について
筋力トレーニングが最高レベルにあり, かつトレーニングが十分に行われている日本体育大学の学生及び, 大学院のレスリング, 柔道の選手を選択し咬合挙上と運動時の全身の筋肉との関係を検索した. 被験者は個性正常咬合を有する, 年齢19歳から23歳までの男子レスリング選手5名, 柔道選手6名, の計11名で行った. 実験用テンプレートはモルテンメディカル社製モルテノ・ハードタイプで製作した. 測定器機はエリエール社製エリエール・コンピュータライズド・エクササイズシステムを定速度法で, ベンチプレス運動とスクワット運動を測定した. あらかじめ問診した結果, 力を入れているとき, 咬みしめている者と咬み...
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Published in | 昭和歯学会雑誌 Vol. 12; no. 1; p. 87 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
昭和大学・昭和歯学会
1992
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Summary: | 筋力トレーニングが最高レベルにあり, かつトレーニングが十分に行われている日本体育大学の学生及び, 大学院のレスリング, 柔道の選手を選択し咬合挙上と運動時の全身の筋肉との関係を検索した. 被験者は個性正常咬合を有する, 年齢19歳から23歳までの男子レスリング選手5名, 柔道選手6名, の計11名で行った. 実験用テンプレートはモルテンメディカル社製モルテノ・ハードタイプで製作した. 測定器機はエリエール社製エリエール・コンピュータライズド・エクササイズシステムを定速度法で, ベンチプレス運動とスクワット運動を測定した. あらかじめ問診した結果, 力を入れているとき, 咬みしめている者と咬みしめていない者の2群を対象とした. 予備実験として5回運動させ, 10分間休憩後, 5回運動させ疲労がないことを確認した後, 本実験としてテンプレートを装着させて5回運動, 非装着で5回運動させた. これを2回行った. その結果, 咬みしめている者は個人差はあるが, 最大出力, 平均出力, 仕事量ともテンプレートを使用したとき効果があった. 一方, 咬みしめていない者ではテンプレートを装着することにより最大出力, 平均出力, 仕事量とも減少傾向を示した. また, 咬みしめているレスリング選手と柔道選手とを比較するとスクワット運動においてレスリング選手が最大出力, 平均出力, 仕事量ともに増加率が高いことが判った. 一方ベンチプレスの屈筋では逆に柔道選手の方が増加率が高いことが判った. これは運動種目の違いによるものであることが推測された. |
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ISSN: | 0285-922X |