アルセラム・クラウンの基礎的検討
アルセラム・クラウンは, セレストア・クラウンを改良したもので, 優れた適合性, 審美性を有し, 生体親和性も良好で, 低熱伝導性, X線透過性もあるなど多くの特徴を有しているといわれている. アルセラムはコア材の破折強度が増加されブリッジにも適用可能となった点である. コア材はハイストレングス・コア・マテリアルHSCと呼ばれ, セレストアに比較して破折強度で85%強度が増加しているということである. また, 従来4色あったコア材は1色となっており, 色調の再現性を豊かにするためにデンティン・ポーセレンが16色追加されている. 本研究ではアルセラムの陶材の物理的性質について検討を加えた. 実験...
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Published in | 昭和歯学会雑誌 Vol. 10; no. 1; p. 84 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
昭和大学・昭和歯学会
1990
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Summary: | アルセラム・クラウンは, セレストア・クラウンを改良したもので, 優れた適合性, 審美性を有し, 生体親和性も良好で, 低熱伝導性, X線透過性もあるなど多くの特徴を有しているといわれている. アルセラムはコア材の破折強度が増加されブリッジにも適用可能となった点である. コア材はハイストレングス・コア・マテリアルHSCと呼ばれ, セレストアに比較して破折強度で85%強度が増加しているということである. また, 従来4色あったコア材は1色となっており, 色調の再現性を豊かにするためにデンティン・ポーセレンが16色追加されている. 本研究ではアルセラムの陶材の物理的性質について検討を加えた. 実験材料はアルセラムのコア材(A1-C), デンティン(A1-D), ボディ(A1-B), エナメル(A1-E), セレストアのコア材(Ce-C)およびビタ・デュールのオペーク(VD-0), デンティン(VD-D), エナメル(VD-E)の8種類である. 試料の形態は円柱形および直方体形の2種類であり, ステンレス製二分割金型H-002および真鍮製四分割金型を使用して製作した. ヌープ硬度は荷重量500g, 荷重時間30秒で測定した. 圧縮強度, ダイアメトラル強度, 破折強度の各強度試験にはインストロン万能試験機1125型を使用した. クロス・ヘッド・スピードは毎分0.5mmとした圧縮強度試験およびダイアメトラル強度試験には円柱形試料を使用した. 破折強度試験には直方体形試料を使用し, 3点曲げ試験を行った. 支点間距離は20mmとした. Al-Cのヌープ硬度は729とCe-C, VD-Oに比較して大きな値を示した. Al-Cの圧縮強度は6,482kg/cm^2 と, Ce-C, VD-Oの中間の値であった. Al-Cのダイアメトラル強度は976とCe-Cより大きく, VD-Oと同程度の値を示した. Al-Cの破折強度は2,103kg/cm^2 とCe-C, VD-Oに比較して大きな値を示した. |
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ISSN: | 0285-922X |