聴神経腫瘍のMRI

magnetic resonance imaging(MRI)は, 骨のartifactの影響を受けず, 矢状断や冠状断といった任意の断面での画像が得られる点から, 聴神経腫瘍(以下AT)の診断および腫瘍と脳幹との相互関係の把握にきわめて有用であると思われる2, 12). そこで我々は, ATの疑われた38例に対しMRIを施行し, MRIによるAT診断の有効性について, CTやair CTとの比較検討を加え報告する. 対象および方法 対象は神経耳科的検査, CT, およびair CTにてATが疑われた38例(うち両側例2例, 計40個)である. MRI装置は東芝製で, 38例中24例はMRT-...

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Published inNeurologia medico-chirurgica Vol. 29; no. 8; pp. 707 - 714
Main Authors 内野正文, 大塚隆嗣, 清木義勝, 松元幹郎, 柴田家門, 寺門栄夫, 河野武, 三瓶健二, 真野勇
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科学会 1989
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Summary:magnetic resonance imaging(MRI)は, 骨のartifactの影響を受けず, 矢状断や冠状断といった任意の断面での画像が得られる点から, 聴神経腫瘍(以下AT)の診断および腫瘍と脳幹との相互関係の把握にきわめて有用であると思われる2, 12). そこで我々は, ATの疑われた38例に対しMRIを施行し, MRIによるAT診断の有効性について, CTやair CTとの比較検討を加え報告する. 対象および方法 対象は神経耳科的検査, CT, およびair CTにてATが疑われた38例(うち両側例2例, 計40個)である. MRI装置は東芝製で, 38例中24例はMRT-15 A 0.15 Tesla(T)常電導, 残り14例はMRT-200A 1.5 T 超電導を用いた. また, 10例に対し造影剤であるgadolinium diethylene triamine penta-acetic acid(Gd-DTPA, 以下Gd)を0.1 mmol/kg body weight使用した, パルス系列としては, 主にspin echo法による撮像を行った. 撮像上のパラメータは, T_1 強調像では繰り返し時間を0.3または0.5sec, エコー時間を30・40・50msecとし, T_2 強調像では繰り返し時間を2.0または3.0sec, エコー時間は40・60・80msecのいずれかとし, 適宜これらを組み合せて使用した.
ISSN:0470-8105