Subclavian steal syndromeに対するPTA

最近, 鎖骨下動脈の狭窄に起因したsubclavian steal syndrome(SSS)に対してpercutaneous transluminal angioplasty (PTA)が行われるようになり, その有効性も認められてきた. しかしながら, 椎骨動脈へemboliが流入する危険性があること, 拡張部が将来再狭窄を起こす可能性があることなどの問題点が残されており, いまだ広く行われていない. 我々は, distal embolismを生じる可能性があると判断したSSSの2例に対し, 患側の椎骨動脈をバルーンカテーテルで遮断しつつPTAを施行し, 合併症なくほぼ完全に狭窄部を拡張で...

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Published inNeurologia medico-chirurgica Vol. 28; no. 8; pp. 802 - 807
Main Authors 皆河崇志, 小池哲雄, 佐々木修, 阿部博史, 田中隆一, 青木広市, 新井弘之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科学会 1988
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Summary:最近, 鎖骨下動脈の狭窄に起因したsubclavian steal syndrome(SSS)に対してpercutaneous transluminal angioplasty (PTA)が行われるようになり, その有効性も認められてきた. しかしながら, 椎骨動脈へemboliが流入する危険性があること, 拡張部が将来再狭窄を起こす可能性があることなどの問題点が残されており, いまだ広く行われていない. 我々は, distal embolismを生じる可能性があると判断したSSSの2例に対し, 患側の椎骨動脈をバルーンカテーテルで遮断しつつPTAを施行し, 合併症なくほぼ完全に狭窄部を拡張できたので報告する. 症例 <症例1>46才, 男性 主訴:労作時の右手の脱力 既往歴:2年前に右半身のシビレ感と軽度の失語症が出現したが, 約1週間で消失した. 現病歴:3年位前から労作時に右手の脱力と同側の拍動性耳鳴が出現し, しだいに増悪してきたため, 1986年2月5日当科を受診し入院となった.
ISSN:0470-8105