頭部腫瘤内出血によりshock状態を呈したvon Recklinghausen病の1例
症例は73歳女性. 数十年前より頭部腫瘤があったが放置. 家の中での軽作業中, 同部を打撲後急激な腫瘤の増大をきたし, ショック状態で搬入されてきた. 左側頭後頭部に表皮の象皮様変化を伴い, 頭の約1.5倍にも達する巨大な腫瘤があり, 腫瘤内出血に伴うhypovolemic shcckと診断した. 体幹, 上腕にCafe au-lait spotと皮下小結節が証明され, 頭蓋単純写で腫瘤直下の人字縫合に一致した部に3×3cmの骨欠損がみられ, CT上腫瘍内出血が証明されたが, 造影剤による増強効果はなかった. 血管写にて異常に拡大進展した左後頭動脈がみられたが, tumor stainはみられ...
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Published in | Neurologia medico-chirurgica Vol. 23; no. suppl; p. 241 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本脳神経外科学会
1983
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ISSN | 0470-8105 |
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Summary: | 症例は73歳女性. 数十年前より頭部腫瘤があったが放置. 家の中での軽作業中, 同部を打撲後急激な腫瘤の増大をきたし, ショック状態で搬入されてきた. 左側頭後頭部に表皮の象皮様変化を伴い, 頭の約1.5倍にも達する巨大な腫瘤があり, 腫瘤内出血に伴うhypovolemic shcckと診断した. 体幹, 上腕にCafe au-lait spotと皮下小結節が証明され, 頭蓋単純写で腫瘤直下の人字縫合に一致した部に3×3cmの骨欠損がみられ, CT上腫瘍内出血が証明されたが, 造影剤による増強効果はなかった. 血管写にて異常に拡大進展した左後頭動脈がみられたが, tumor stainはみられなかった. 全身状態の改善を待ち30×20cm, 1.65kgの巨大な腫瘤を全摘した. 組織学的にはneurofibromaであった. von Recklinghausen病に伴う弁状皮膚病の症例には時折遭遇するが, その腫瘍内出血によりショック状態にまで陥るような例は非常にまれであると思われる. |
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ISSN: | 0470-8105 |