術後血中アレビアチン濃度の変動と術後早期痙攣発作について
開頭術時の抗痙攣剤の予防的投与は, てんかん発作の既往のある者, あるいは術後おこす可能性の高い者に対して行われるが, 術中・術後に種々の薬剤が使われることから血中濃度の変動がおこる可能性が考えられる. 我々は手術1週間前よりアレビアチン300mgを経口投与していた患者13名で術後血中濃度測定を行った. 術前血中濃度は8.7±3.7μg/dlであったが, 術後1週間目では5.9±2.8μg/dlとなり, 2週間目には回復する傾向を認めた. また一方, 1979年4月より1982年7月までの間に当科で手術を行った患者のうち, 種々の抗痙攣剤の投与をうけていたにもかかわらず, 術後2週間内に発作を...
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Published in | Neurologia medico-chirurgica Vol. 23; no. suppl; p. 147 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本脳神経外科学会
1983
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ISSN | 0470-8105 |
Cover
Summary: | 開頭術時の抗痙攣剤の予防的投与は, てんかん発作の既往のある者, あるいは術後おこす可能性の高い者に対して行われるが, 術中・術後に種々の薬剤が使われることから血中濃度の変動がおこる可能性が考えられる. 我々は手術1週間前よりアレビアチン300mgを経口投与していた患者13名で術後血中濃度測定を行った. 術前血中濃度は8.7±3.7μg/dlであったが, 術後1週間目では5.9±2.8μg/dlとなり, 2週間目には回復する傾向を認めた. また一方, 1979年4月より1982年7月までの間に当科で手術を行った患者のうち, 種々の抗痙攣剤の投与をうけていたにもかかわらず, 術後2週間内に発作をおこした者は14名15回で, うち9名は術当日, 4名が2, 3日後, 6日, 8日目に各1名であった. 手術数日後におこる痙攣発作の一因として抗痙攣剤血中濃度が術後一過性に低下することが考えられた. 術後早期の痙攣防止の目的での抗痙攣剤の至適投与法につき考察した. |
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ISSN: | 0470-8105 |