脳動脈瘤の脳血管撮影中にみられた造影剤血管外漏出の1例

脳動脈瘤の診断に際して, 脳血管撮影中にみられる造影剤の血管外漏出は, 重大な合併症で, 動脈瘤の再破裂を意味し, 患者の予後を大きく左右する. 今回我々は, 脳血管撮影中に再破裂をきたし不幸な転帰をとった左内頸・眼動脈分岐部動脈瘤を経験した. 症例は60歳女性で, 突然の頭痛, 嘔吐で発症した. 第4病日に1回目の脳血管撮影を施行したが, 動脈瘤頸部の描出が不十分で, 第12病目に2回目の脳血管撮影を行ったところ, 造影剤の注入時に再破裂をきたした. 本症例の脳血管撮影, CT scan所見を呈示すると共に, 脳血管撮影における問題点につき, 若干の文献的考察を加え報告した....

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Bibliographic Details
Published inNeurologia medico-chirurgica Vol. 23; no. suppl; p. 138
Main Authors 水野志朗, 高木卓爾
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科学会 1983
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Summary:脳動脈瘤の診断に際して, 脳血管撮影中にみられる造影剤の血管外漏出は, 重大な合併症で, 動脈瘤の再破裂を意味し, 患者の予後を大きく左右する. 今回我々は, 脳血管撮影中に再破裂をきたし不幸な転帰をとった左内頸・眼動脈分岐部動脈瘤を経験した. 症例は60歳女性で, 突然の頭痛, 嘔吐で発症した. 第4病日に1回目の脳血管撮影を施行したが, 動脈瘤頸部の描出が不十分で, 第12病目に2回目の脳血管撮影を行ったところ, 造影剤の注入時に再破裂をきたした. 本症例の脳血管撮影, CT scan所見を呈示すると共に, 脳血管撮影における問題点につき, 若干の文献的考察を加え報告した.
ISSN:0470-8105