第四脳室内石灰化血管腫の1症例
我々は第四脳室内の大きな石灰化病巣を経験したので報告した. 症例は50歳女性で, 1981年3月, 突然のめまい・嘔吐があったが, 数日後軽快した. 1983年4月入院時には頭痛のみで眼底に所見なく, その他の神経学的所見は皆無であった. 頭部単純撮影で腫瘍は骨様X線透亮度を示し, 大きさは30×11×12mmで, 断層撮影では腫瘍内に3~4個の空洞様にみられた. 椎骨動脈造影では腫瘍は第四脳室内にあり, CTでは一応第四脳室は腫瘍の腹側で交通しているものの, 高度の脳室拡大があり, 交通性水頭症の状態であった. 手術は後頭下開頭により全摘出した. 組織学的検査では, PenfieldとWar...
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Published in | Neurologia medico-chirurgica Vol. 23; no. suppl; p. 135 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本脳神経外科学会
1983
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ISSN | 0470-8105 |
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Summary: | 我々は第四脳室内の大きな石灰化病巣を経験したので報告した. 症例は50歳女性で, 1981年3月, 突然のめまい・嘔吐があったが, 数日後軽快した. 1983年4月入院時には頭痛のみで眼底に所見なく, その他の神経学的所見は皆無であった. 頭部単純撮影で腫瘍は骨様X線透亮度を示し, 大きさは30×11×12mmで, 断層撮影では腫瘍内に3~4個の空洞様にみられた. 椎骨動脈造影では腫瘍は第四脳室内にあり, CTでは一応第四脳室は腫瘍の腹側で交通しているものの, 高度の脳室拡大があり, 交通性水頭症の状態であった. 手術は後頭下開頭により全摘出した. 組織学的検査では, PenfieldとWardのいうhemangioma calcificansに相当した. 術後, 一過性に左眼の内転障害がみられたが, 2ヵ月後には寛解し水頭症も治癒した. |
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ISSN: | 0470-8105 |