聴神経腫瘍の検討

21例の聴神経腫瘍手術例について検討した. 年齢は21歳から74歳で, 男5例, 女16例であった. 腫瘍の大きさはenhanced CT(E-CT)上の長径からの換算ですべて2cm以上であった. Plain CT(P-CT)では2例がisodesityを示し, 診断が困難と考えられた. 均一なhigh density(HD)を示した例はなかった. E-CTでは1例を除いて40Hounsfield number(H)以上を示したが, 均一なHDを示した4例は術中solidであった. E-CTでのHDの高さは必ずしも腫瘍の性状に関係せず, enhanceの程度が20H以上を示した12例中9例が手...

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Published inNeurologia medico-chirurgica Vol. 23; no. suppl; p. 134
Main Authors 横尾昭, 杉田虔一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科学会 1983
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Summary:21例の聴神経腫瘍手術例について検討した. 年齢は21歳から74歳で, 男5例, 女16例であった. 腫瘍の大きさはenhanced CT(E-CT)上の長径からの換算ですべて2cm以上であった. Plain CT(P-CT)では2例がisodesityを示し, 診断が困難と考えられた. 均一なhigh density(HD)を示した例はなかった. E-CTでは1例を除いて40Hounsfield number(H)以上を示したが, 均一なHDを示した4例は術中solidであった. E-CTでのHDの高さは必ずしも腫瘍の性状に関係せず, enhanceの程度が20H以上を示した12例中9例が手術時硬度が高い傾向を示し, また易出血性であった. CT上6例に腫瘍内出血を認めたが, 5例はcyst内出血であり, うち1例のみ術中に出血を確認できた. 他の1例は斑状の小出血と考えられたが術中に確認できなかった. 腫瘍の大きさは必ずしも手術の難易度を示さないが, 顔面神経・聴神経の機能保存の面から, 術後の結果についても言及した.
ISSN:0470-8105