頭蓋骨血管肉腫の1例

骨原発の血管肉腫は本来まれな疾患であるが, 過去の報告によれば, 長幹骨に好発するといわれており, 頭蓋骨原発例の報告は極めて少ない. 今回我々は, 後頭骨より発生した骨血管肉腫の1例を経験したので報告した. 症例は23歳女性で, 1982年6月より後頭正中部に直径2~3cm程度の腫瘤を触知し, 次第に増大してきた. 頭部単純射にて多房性の陰影欠損を認め, CTにてはisodensity~high densityの混在を認めた. 1983年5月, 広範囲切除術を施行したところ, 組織像にて血管内皮由来の腫瘍細胞を認め, 上記診断を得た. 術後放射線療法を併用し, 現在良好の経過にてfollow...

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Published inNeurologia medico-chirurgica Vol. 23; no. suppl; p. 26
Main Authors 加藤正哉, 小暮哲夫, 鶴見勇治, 小川彰, 和田徳男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科学会 1983
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ISSN0470-8105

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Summary:骨原発の血管肉腫は本来まれな疾患であるが, 過去の報告によれば, 長幹骨に好発するといわれており, 頭蓋骨原発例の報告は極めて少ない. 今回我々は, 後頭骨より発生した骨血管肉腫の1例を経験したので報告した. 症例は23歳女性で, 1982年6月より後頭正中部に直径2~3cm程度の腫瘤を触知し, 次第に増大してきた. 頭部単純射にて多房性の陰影欠損を認め, CTにてはisodensity~high densityの混在を認めた. 1983年5月, 広範囲切除術を施行したところ, 組織像にて血管内皮由来の腫瘍細胞を認め, 上記診断を得た. 術後放射線療法を併用し, 現在良好の経過にてfollowb up中である.
ISSN:0470-8105