多発脳動脈瘤手術症例の検討
我々が経験した多発脳動脈瘤症例は35例85個であり, 全脳動脈瘤242例の14.4%にあたる. そのうち, 28例67個の64個に根治手術を行った. SAH後3日以内手術は6例で, 2例に術後悪化を認めた. 同時日全脳動脈瘤根治手術を行ったのは21例であり, そのうち16例は1個の開頭にて全て処置し得, 大きなIC動脈瘤例にのみ症状の悪化を認めた. 5例は, 同日に2個の開頭術にて左右の脳動脈瘤を処置している. 超急性期手術の1例と, MCの大きい動脈瘤症例の2例に手術操作によると思われる悪化がみられた. 2段階手術症例は全て経過良好であった. 手術成績は, 28例中14例50%が社会復帰,...
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Published in | Neurologia medico-chirurgica Vol. 23; no. suppl; pp. 9 - 10 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本脳神経外科学会
1983
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ISSN | 0470-8105 |
Cover
Summary: | 我々が経験した多発脳動脈瘤症例は35例85個であり, 全脳動脈瘤242例の14.4%にあたる. そのうち, 28例67個の64個に根治手術を行った. SAH後3日以内手術は6例で, 2例に術後悪化を認めた. 同時日全脳動脈瘤根治手術を行ったのは21例であり, そのうち16例は1個の開頭にて全て処置し得, 大きなIC動脈瘤例にのみ症状の悪化を認めた. 5例は, 同日に2個の開頭術にて左右の脳動脈瘤を処置している. 超急性期手術の1例と, MCの大きい動脈瘤症例の2例に手術操作によると思われる悪化がみられた. 2段階手術症例は全て経過良好であった. 手術成績は, 28例中14例50%が社会復帰, 10例35.7%が日常生活可能(神経症状有), 3例10.7%が全面介助にて生活, 1例が超急性期手術後, 脳血管攣縮強度となり死亡した. 術者の技術, 脳動脈瘤の難易度等により, 必ずしも同時日根治手術にこだわらず, 症例によっては2段階手術も考えるべきである. |
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ISSN: | 0470-8105 |