Cyst内出血をきたした脳腫瘍の1例

症例は21才男性. 8才頃から痙攣発作があり, 抗痙攣剤でもcontrolできなかったという. 1982年2月12日朝, 突然激しい頭痛・嘔吐が出現したために近医を受診したが, その後意識レベルが低下してきたため, 2月19日当院に転送された. CTで左側頭葉に広範な低吸収域と, その後部にniveauを認め, その下のスライスには, 不整広範な石灰化を認めた. 側頭葉の石灰化を伴う腫瘍cyst内に出血をきたしたものと診断し, cystを開放し併せて腫瘍部分摘出術を行った. 部分摘出部の腫瘍は, low grade astrocytomaの様相を呈し, angiomatousな部分も認めた....

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Published inNeurologia medico-chirurgica Vol. 22; no. suppl; p. 205
Main Authors 中村克巳, 厚地政幸, 横山俊一, 松田一己, 粟博志, 朝倉哲彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科学会 1982
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Summary:症例は21才男性. 8才頃から痙攣発作があり, 抗痙攣剤でもcontrolできなかったという. 1982年2月12日朝, 突然激しい頭痛・嘔吐が出現したために近医を受診したが, その後意識レベルが低下してきたため, 2月19日当院に転送された. CTで左側頭葉に広範な低吸収域と, その後部にniveauを認め, その下のスライスには, 不整広範な石灰化を認めた. 側頭葉の石灰化を伴う腫瘍cyst内に出血をきたしたものと診断し, cystを開放し併せて腫瘍部分摘出術を行った. 部分摘出部の腫瘍は, low grade astrocytomaの様相を呈し, angiomatousな部分も認めた. 腫瘍cyst内出血は珍しく, そのメカニズムについて若干の文献的考察を加えて報告した.
ISSN:0470-8105