脊髄空洞症の1例とその診断上の問題点

症例は34才男性. 2年半の経過で左上肢と体幹に分節的な解離性感覚障害をきたして入院, syringomyeliaを疑い, delayed CT myelographyを行うと中心部が円形に造影された. 延髄obex部にcysticな膨隆を認め, これに連続すると思われるcystを上位頸髄内にも認めた. 頸髄髄内腫瘍例において, delayed CT myelographyで中心部が造影され, syringomyeliaと類似の所見を呈した症例を呈示し, 類似点および相異点を述べ, その造影の機序について触れた. 脊髄空洞症例では主に第四脳室を経由し, 中心管を下行しsyrinxが造影されたも...

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Published inNeurologia medico-chirurgica Vol. 22; no. suppl; p. 194
Main Authors 古賀壽男, 呉屋朝和, 山川勇造, 木下和夫, 小玉隆男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科学会 1982
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Summary:症例は34才男性. 2年半の経過で左上肢と体幹に分節的な解離性感覚障害をきたして入院, syringomyeliaを疑い, delayed CT myelographyを行うと中心部が円形に造影された. 延髄obex部にcysticな膨隆を認め, これに連続すると思われるcystを上位頸髄内にも認めた. 頸髄髄内腫瘍例において, delayed CT myelographyで中心部が造影され, syringomyeliaと類似の所見を呈した症例を呈示し, 類似点および相異点を述べ, その造影の機序について触れた. 脊髄空洞症例では主に第四脳室を経由し, 中心管を下行しsyrinxが造影されたものであり, 髄内腫瘍例ではtransneuralな移行により浮腫をきたしている部分に造影剤が溜ったものと考えられた.
ISSN:0470-8105