硬膜下膿瘍小児例の1例

症例は5ヵ月男児. 主訴は発熱および易刺激性である. 腰椎穿刺で髄液圧亢進がみられ, 髄液は白濁していた. 培養により大腸菌が証明され, 化膿性髄膜炎の診断が得られ, 化学療法を開始した. CT scanでは両側硬膜下水腫を認め, その後硬膜下膿瘍を認め, 発症後1ヵ月目に硬膜下洗滌術を行い, さらに1ヵ月後に硬膜下膿瘍剔出術を行った. 患者の術後経過は良好で, 入院以来2ヵ月目に退院した. 細菌性髄膜炎の自験例33例において, 48%に外科的合併症が認められ, 硬膜下水腫が36%, 水頭症が12%であり, 硬膜下水腫12例中, 手術3例, 治癒7例, 硬膜下膿瘍2例, 水頭症4例中3例にV-...

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Published inNeurologia medico-chirurgica Vol. 22; no. suppl; p. 193
Main Authors 中島裕典, 林隆士, 山本正士, 前原史明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科学会 1982
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ISSN0470-8105

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Summary:症例は5ヵ月男児. 主訴は発熱および易刺激性である. 腰椎穿刺で髄液圧亢進がみられ, 髄液は白濁していた. 培養により大腸菌が証明され, 化膿性髄膜炎の診断が得られ, 化学療法を開始した. CT scanでは両側硬膜下水腫を認め, その後硬膜下膿瘍を認め, 発症後1ヵ月目に硬膜下洗滌術を行い, さらに1ヵ月後に硬膜下膿瘍剔出術を行った. 患者の術後経過は良好で, 入院以来2ヵ月目に退院した. 細菌性髄膜炎の自験例33例において, 48%に外科的合併症が認められ, 硬膜下水腫が36%, 水頭症が12%であり, 硬膜下水腫12例中, 手術3例, 治癒7例, 硬膜下膿瘍2例, 水頭症4例中3例にV-P shuntを施行している.
ISSN:0470-8105