外傷性脳動脈瘤の2例

外傷性脳動脈瘤の2例を報告した. 症例1：60才男性. 受傷数日後, 意識低下と言語障害にて当科受診した. 左prefrontal arteryに発生した動脈瘤と左前頭部脳挫傷と診断した. 入院10日目, 脳血管写上動脈瘤陰影はいったん縮小したのち増大したため61日目直達手術施行, 手術および組織学的所見で真性動脈瘤を確認した. 症例2：64才女性. 受傷直後より昏睡状態, 脳血管写にて右中硬膜動脈に発生した動脈瘤と急性硬膜外血腫と診断した. 外傷性脳動脈瘤は頭蓋内動脈瘤の0.5%以下のまれな疾患であるが, 外傷後のlate apoplexyの原因として重要である. 外傷性脳動脈瘤の成因につい...

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Published inNeurologia medico-chirurgica Vol. 22; no. suppl; p. 178
Main Authors 山田徹, 武田哲二, 田口治義, 弗川哲二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科学会 1982
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Summary:外傷性脳動脈瘤の2例を報告した. 症例1：60才男性. 受傷数日後, 意識低下と言語障害にて当科受診した. 左prefrontal arteryに発生した動脈瘤と左前頭部脳挫傷と診断した. 入院10日目, 脳血管写上動脈瘤陰影はいったん縮小したのち増大したため61日目直達手術施行, 手術および組織学的所見で真性動脈瘤を確認した. 症例2：64才女性. 受傷直後より昏睡状態, 脳血管写にて右中硬膜動脈に発生した動脈瘤と急性硬膜外血腫と診断した. 外傷性脳動脈瘤は頭蓋内動脈瘤の0.5%以下のまれな疾患であるが, 外傷後のlate apoplexyの原因として重要である. 外傷性脳動脈瘤の成因について文献的考察を加えた. さらに, CT検査も外傷性脳動脈瘤の診断および経過観察に有用であることを述べた.
ISSN:0470-8105