脳血管障害に対するdigital subtraction angiography

従来の脳血管写よりも非侵襲的であるdigital subtraction angiography (DSA)が開発され, その臨床的有用性が注目されている. 現在我々は, DSAを日常の検査としてとり入れている. 今回, その有用性と限界を検討した. 頸部, 大動脈弓領域の血管病変の診断にきわめて有力であった. また, 頭蓋内主幹動脈の閉塞の診断, および側副血行の把握, さらには頭蓋内脳動脈瘤, 脳動脈奇形の診断も可能であったが, 手術に際しては従来の脳血管写を必要とし, 解像力などに一定の限界があった. EC/IC bypass例, 巨大脳動脈瘤の近位動脈閉塞例に対する経過観察においてはb...

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Published inNeurologia medico-chirurgica Vol. 22; no. suppl; p. 151
Main Authors 片岡和夫, 山田和雄, 早川徹, 池田卓也, 河合隆治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科学会 1982
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Summary:従来の脳血管写よりも非侵襲的であるdigital subtraction angiography (DSA)が開発され, その臨床的有用性が注目されている. 現在我々は, DSAを日常の検査としてとり入れている. 今回, その有用性と限界を検討した. 頸部, 大動脈弓領域の血管病変の診断にきわめて有力であった. また, 頭蓋内主幹動脈の閉塞の診断, および側副血行の把握, さらには頭蓋内脳動脈瘤, 脳動脈奇形の診断も可能であったが, 手術に際しては従来の脳血管写を必要とし, 解像力などに一定の限界があった. EC/IC bypass例, 巨大脳動脈瘤の近位動脈閉塞例に対する経過観察においてはbypassのpatency, 閉塞血管の確認, 脳動脈瘤造影の有無, 側副血行の状態についてはDSAにて確認することができた. こうした患者の経過観察では, DSAはきわめて有力であった. また, 脳血管障害を疑う例のスクリーニングとしても有用であった.
ISSN:0470-8105