前頭部に巨大な腫瘤を呈したhistiocytosis Xの1例
症例は21才男性. 入院3ヵ月前に前頭部の腫瘤に初めて気づいた. 腫瘤は徐々に増大するため入院となった. 入院時の所見では, 前頭部に直径7cm高さ4cmの巨大な腫瘤と, 顔面に多発する座瘡様の皮疹を認めた. 頭部単純写で前頭部に広範な骨欠損を示し, 他に2ヵ所骨欠損を示した. CT scanでは, 骨欠損部の硬膜上より頭蓋外に進展する腫瘤を認めた. 手術所見では, 腫瘤は硬膜と強く癒着し上矢状洞を閉塞しており, 腫瘤を上矢状洞を含む硬膜とともに摘出した. 組織学的には, 組織球様細胞の増殖と, 著しい好酸球の浸潤および巨細胞の出現を認めるeosinophilic granulomaであった....
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Published in | Neurologia medico-chirurgica Vol. 22; no. suppl; p. 141 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本脳神経外科学会
1982
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ISSN | 0470-8105 |
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Summary: | 症例は21才男性. 入院3ヵ月前に前頭部の腫瘤に初めて気づいた. 腫瘤は徐々に増大するため入院となった. 入院時の所見では, 前頭部に直径7cm高さ4cmの巨大な腫瘤と, 顔面に多発する座瘡様の皮疹を認めた. 頭部単純写で前頭部に広範な骨欠損を示し, 他に2ヵ所骨欠損を示した. CT scanでは, 骨欠損部の硬膜上より頭蓋外に進展する腫瘤を認めた. 手術所見では, 腫瘤は硬膜と強く癒着し上矢状洞を閉塞しており, 腫瘤を上矢状洞を含む硬膜とともに摘出した. 組織学的には, 組織球様細胞の増殖と, 著しい好酸球の浸潤および巨細胞の出現を認めるeosinophilic granulomaであった. 皮疹も同様の組織像を示した. |
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ISSN: | 0470-8105 |