61年間放置されていたgrowing skull fractureの1例
我々は, 61年間放置されていたgrowing skull fractureのまれな1例を経験したので報告した. 症例は62才男性. 1才時右後頭部を打撲し, 同部の膨隆をきたすも自覚症状なく放置. 61才時再度同部を打撲, 拍動性頭痛をきたし来院. 頭部は舟状頭蓋を呈し, 右後頭部頭皮下に波動, 拍動, 骨欠損を認め, 神経学的には右後頭部拍動性頭痛, 左同名半盲を認めた. CT scan, skull X-Pなどによりgrowing skull fractureと診断. 手術時, 骨欠損部は辺縁が噴火口状に隆起, クモ膜嚢腫が膨隆, 硬膜は骨縁内側にて確認, 嚢腫は側脳室後角と交通しており...
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Published in | Neurologia medico-chirurgica Vol. 22; no. suppl; p. 115 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本脳神経外科学会
1982
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ISSN | 0470-8105 |
Cover
Summary: | 我々は, 61年間放置されていたgrowing skull fractureのまれな1例を経験したので報告した. 症例は62才男性. 1才時右後頭部を打撲し, 同部の膨隆をきたすも自覚症状なく放置. 61才時再度同部を打撲, 拍動性頭痛をきたし来院. 頭部は舟状頭蓋を呈し, 右後頭部頭皮下に波動, 拍動, 骨欠損を認め, 神経学的には右後頭部拍動性頭痛, 左同名半盲を認めた. CT scan, skull X-Pなどによりgrowing skull fractureと診断. 手術時, 骨欠損部は辺縁が噴火口状に隆起, クモ膜嚢腫が膨隆, 硬膜は骨縁内側にて確認, 嚢腫は側脳室後角と交通しており, これは髄液のハンマー効果による後角拡大から脳実質, 嚢腫壁を穿破したものと推察した. |
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ISSN: | 0470-8105 |