Persistent trigeminal artery and other congenital anomalies in the patient with trigeminal neuralgia and subarachnoid hemorrhage

最近我々は, 長年にわたる右三叉神経痛の病悩期間中にクモ膜下出血をきたし, 脳血管写にて右primitive trigeminal artery (PTA), 左accessory MCA (AMCA), 右bihemispheric ACAといった比較的珍しい脳血管奇形の合併が証明された63才女性症例を経験した. PTAはSaltzman II型, AMCAはmain MCAとほぼ同大, A_1 起始部直後より外側へ向かい, 穿通動脈が数本これより分岐するが, Heubner反回動脈については明らかでなかった. 三叉神経痛の原因は確定できないが, 動脈硬化の進む年代で発症し, 同側PTAが証...

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Published inNeurologia medico-chirurgica Vol. 22; no. suppl; p. 64
Main Authors 窪倉孝道, 川崎博通, 坪根享治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科学会 1982
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Summary:最近我々は, 長年にわたる右三叉神経痛の病悩期間中にクモ膜下出血をきたし, 脳血管写にて右primitive trigeminal artery (PTA), 左accessory MCA (AMCA), 右bihemispheric ACAといった比較的珍しい脳血管奇形の合併が証明された63才女性症例を経験した. PTAはSaltzman II型, AMCAはmain MCAとほぼ同大, A_1 起始部直後より外側へ向かい, 穿通動脈が数本これより分岐するが, Heubner反回動脈については明らかでなかった. 三叉神経痛の原因は確定できないが, 動脈硬化の進む年代で発症し, 同側PTAが証明されたことは, 関連性を示唆するものと考えられた. 痛みにはチグレトールが奏効した. また, 上記奇形のいずれにも脳動脈瘤を初めとする他の脳血管奇形の合併が知られているが, 本症例では脳動脈瘤は認められず, 特発性クモ膜下出血と考えられた. 合併奇形の組み合わせとしては, 我々が調べえたかぎりでは文献上報告がなく, 知見の積み重ねとして意義あるものと考え, 考察を加え報告した.
ISSN:0470-8105