初回脳血管撮影で描出されなかった前交通動脈瘤の3例

目的:本報告の目的は, 初回脳血管撮影で描出されなかった前交通動脈瘤の3例を中心に, “SAH of unknown etiology(SAH u.e.)”について検討することである. 結果および結論:(1)2年半における連続187例のSAH中, 第1回目のpan-angiographyの結果, “SAH u.e.”と診断されたのは11例(6%)であった. このうち3例に, 2回目以降の検査で前交通動脈瘤が認められた. (2)3例の動脈瘤の特徴は, A_1 , A_2 junctionに存在し, 後方または上方に突出していることであった. (3)動脈瘤が描出されるようになった時期は, spas...

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Published inNeurologia medico-chirurgica Vol. 22; no. suppl; p. 51
Main Authors 唐澤秀治, 冨田伸, 金弘, 三壁敏雄, 渡辺三郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科学会 1982
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Summary:目的:本報告の目的は, 初回脳血管撮影で描出されなかった前交通動脈瘤の3例を中心に, “SAH of unknown etiology(SAH u.e.)”について検討することである. 結果および結論:(1)2年半における連続187例のSAH中, 第1回目のpan-angiographyの結果, “SAH u.e.”と診断されたのは11例(6%)であった. このうち3例に, 2回目以降の検査で前交通動脈瘤が認められた. (2)3例の動脈瘤の特徴は, A_1 , A_2 junctionに存在し, 後方または上方に突出していることであった. (3)動脈瘤が描出されるようになった時期は, spasmの極期または寛解期であった. (4)“SAH u.e.”に対しては, 発症後数週間はangiographyを繰り返す必要がある.
ISSN:0470-8105