Parasagittal epidural hematomaの1治験例

症例は53才男性. 1981年9月4日午後2時頃, アスファルト道路をオートバイで時速30~35kmで走行中, 右折しようとして, 後方からきたトラックに接触され転倒し, 側溝の縁にsagittal regionを打った. ヘルメットを装着していたが衝撃ではずれている. 当科受診時, 意識レベルは1で, 神経学的異常所見は認められなかった. 頭部単純写で, 頭頂部に上矢状洞にかかる陥没骨折が認められ, CT scan上, 陥没骨折の直下に, 両側に拡がるParasagittal epidural hematomaが認められ, 緊急手術を施行し25gの血腫が除去された. なお, 上矢状洞の損傷は...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inNeurologia medico-chirurgica Vol. 22; no. suppl; p. 33
Main Authors 後藤恒夫, 平山章彦, 米谷元裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科学会 1982
Online AccessGet full text
ISSN0470-8105

Cover

More Information
Summary:症例は53才男性. 1981年9月4日午後2時頃, アスファルト道路をオートバイで時速30~35kmで走行中, 右折しようとして, 後方からきたトラックに接触され転倒し, 側溝の縁にsagittal regionを打った. ヘルメットを装着していたが衝撃ではずれている. 当科受診時, 意識レベルは1で, 神経学的異常所見は認められなかった. 頭部単純写で, 頭頂部に上矢状洞にかかる陥没骨折が認められ, CT scan上, 陥没骨折の直下に, 両側に拡がるParasagittal epidural hematomaが認められ, 緊急手術を施行し25gの血腫が除去された. なお, 上矢状洞の損傷はなく, 出血源はpachionii granuleと静脈洞付近の硬膜血管であった. 患者は受傷後43日目に後遺症を残すことなく独歩退院した. 以上, parasagittal epidural hematomaの1例について報告し, 本血腫の特徴, 開頭法などについて文献的考察を行った.
ISSN:0470-8105