Intramedullary spinal hemangioblastomaの摘出術

Hemangioblastomaは脊髄腫瘍の1.6~2.1%, 脊髄髄内腫瘍の3.3%を占める比較的まれな良性腫瘍であり, Hurthらによれば, intramedullary hemangioblastomaのほとんどが脊髄背側部に位置し, そのうち完全に髄内に埋もれて存在するものが30%, 脊髄表面に一部露出するか, 表面近くに接して存在するものが60.6%とされている. 最近我々は, 完全に頸部脊髄内に埋もれて存在したhemangioblastomaの摘出に際し, 積極的にmyelotomyを行って全摘することができ, 良好な結果を得たので, 手術所見を中心に症例を報告し, 手術の要点な...

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Published inNeurologia medico-chirurgica Vol. 22; no. suppl; pp. 5 - 6
Main Authors 井上慶俊, 吉田栄一, 高谷了, 伊林至洋, 中川俊男, 中垣陽一, 佐藤修, 蓮沼正博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科学会 1982
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ISSN0470-8105

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Summary:Hemangioblastomaは脊髄腫瘍の1.6~2.1%, 脊髄髄内腫瘍の3.3%を占める比較的まれな良性腫瘍であり, Hurthらによれば, intramedullary hemangioblastomaのほとんどが脊髄背側部に位置し, そのうち完全に髄内に埋もれて存在するものが30%, 脊髄表面に一部露出するか, 表面近くに接して存在するものが60.6%とされている. 最近我々は, 完全に頸部脊髄内に埋もれて存在したhemangioblastomaの摘出に際し, 積極的にmyelotomyを行って全摘することができ, 良好な結果を得たので, 手術所見を中心に症例を報告し, 手術の要点などについて述べた. 症例は33才男性. 入院時の主訴は両肩から両上肢にかけて放散する疼痛, 神経学的には右上肢の筋力低下, 右C_4 , C_5 , C_6 髄節レベルにおける知覚低下, 左上肢および右下肢における深部反射亢進と右Hoffmann反射陽性を認めた. なお入院の6ヵ月前に, 後頭蓋窩hemangioblastomaの摘出術を受けた既往があった.
ISSN:0470-8105