破裂脳動脈瘤症例における脳血管攣縮の病態分析

近年, 脳神経外科領域においてcomputed tomography(以下CT)が急速に臨床に応用され, 多大な貢献をなしつつある. 脳動脈瘤破裂によるクモ膜下出血患者の病態把握についてもCTは何ら侵襲を加えることなく, (1)クモ膜下凝血の拡がりよりみた破裂脳動脈瘤の部位診断, さらにそれに伴うspasmの予知, (2)脳内血腫, 水頭症, 脳梗塞等の頭蓋内病変の適確な診断, (3)巨大動脈瘤の直接造影等はなはだ有用であり, それらに関する報告も散見される4)9)11)15)17). 我々は第1報において脳動脈瘤破裂によるクモ膜下出血(以下SAH)に伴って出現する脳血管攣縮(以下spasm)...

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Published inNeurologia medico-chirurgica Vol. 20; no. 10; pp. 1015 - 1021
Main Authors 小池哲雄, 小林啓志, 石井鐐二, 伊原郁夫, 亀山茂樹, 竹内茂和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科学会 1980
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Summary:近年, 脳神経外科領域においてcomputed tomography(以下CT)が急速に臨床に応用され, 多大な貢献をなしつつある. 脳動脈瘤破裂によるクモ膜下出血患者の病態把握についてもCTは何ら侵襲を加えることなく, (1)クモ膜下凝血の拡がりよりみた破裂脳動脈瘤の部位診断, さらにそれに伴うspasmの予知, (2)脳内血腫, 水頭症, 脳梗塞等の頭蓋内病変の適確な診断, (3)巨大動脈瘤の直接造影等はなはだ有用であり, それらに関する報告も散見される4)9)11)15)17). 我々は第1報において脳動脈瘤破裂によるクモ膜下出血(以下SAH)に伴って出現する脳血管攣縮(以下spasm)を形態および強度により平易かつ客観的に分類し, その経時的な出現頻度と形態変化を明らかにし, さらにspasmが患者の脳循環動態を含めた病態や予後に深く関与していることを明確なものとした.
ISSN:0470-8105