頭蓋内圧亢進時におけるsodium nitmprussideによる低血圧麻酔の安全限界について

目的:Sodium nitroprusside(SNP)による人為的低血圧麻酔の有用性および安全性については多く報告されているが, 頭蓋内圧亢進時にSNPを用いた場合の安全性の限界についてまだ十分に検討されていないので以下の実験的研究を行った. 方法:雑種成犬11頭を用いた. Thiopentalで導入後, ハロセン, 笑気麻酔にて維持, 調節呼吸を行い, PaO_2 ,PaCO_2 ,pHを正常範囲に保った. 頭蓋内圧亢進は硬膜外バルーン法で作成し, 頭蓋内圧は硬膜下バルーン法で測定した. 頭蓋内圧30mmHgの群(I群6頭), 35mmHgの群(II群5頭)の二つの群で, ハロセンで平均動...

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Published inNeurologia medico-chirurgica Vol. 19; no. suppl; p. 129
Main Authors 森井誠二, 田辺貴丸, 川野信之, 宮坂佳男, 大和田隆, 矢田賢三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科学会 1979
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Summary:目的:Sodium nitroprusside(SNP)による人為的低血圧麻酔の有用性および安全性については多く報告されているが, 頭蓋内圧亢進時にSNPを用いた場合の安全性の限界についてまだ十分に検討されていないので以下の実験的研究を行った. 方法:雑種成犬11頭を用いた. Thiopentalで導入後, ハロセン, 笑気麻酔にて維持, 調節呼吸を行い, PaO_2 ,PaCO_2 ,pHを正常範囲に保った. 頭蓋内圧亢進は硬膜外バルーン法で作成し, 頭蓋内圧は硬膜下バルーン法で測定した. 頭蓋内圧30mmHgの群(I群6頭), 35mmHgの群(II群5頭)の二つの群で, ハロセンで平均動脈血圧を90mmHgにした後, 0.02%SNPを点滴静注し, 平均動脈血圧を55mmHgに下降させた. 脳灌流圧(MAP-ICP)が1群では25mmHgに, II群では20mmHgになるように頭蓋内圧を人為的に維持し, 30分間低灌流圧の状態を持続した. SNP投与開始時の頭蓋内圧の変化を観察し, 低血圧終了後の頭蓋内圧の推移を2つの群で比較した. 結果:SNP投与により頭蓋内圧は32.3±2.6mmHgから17.5±1.5mmHgに下降した.
ISSN:0470-8105