悪性脳腫瘍に対する術中照射と原体照射療法

目的:放射線による悪性脳腫瘍の治療効果の向上を目標として, 我々は次の二つの照射療法を試みているので報告する. (A)術中照射確実に直視下で腫瘍に限局して大量の照射を与えることができるので, 数施設で試みられたが, 安定した治療装置と照射方法などに未解決な問題を残した. 昭和50年より悪性脳腫瘍に術中照射を行っているので, その治療成績を分析した, (B)原体照射:病巣の形状に一致して放射線を集中する原体照射法をコンピュータの制御で実施する方法を諸外国に先駆けて完成し, これまでに19例の脳腫瘍の治療を行った. 方法:4年間にglioblastoma 11症例を含めて13症例の悪性脳腫瘍に術中...

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Published inNeurologia medico-chirurgica Vol. 19; no. suppl; pp. 65 - 66
Main Authors 寺尾栄夫, 松谷雅生, 堀智勝, 池田彰宏, 松田忠義, 牧野宣一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科学会 1979
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ISSN0470-8105

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Summary:目的:放射線による悪性脳腫瘍の治療効果の向上を目標として, 我々は次の二つの照射療法を試みているので報告する. (A)術中照射確実に直視下で腫瘍に限局して大量の照射を与えることができるので, 数施設で試みられたが, 安定した治療装置と照射方法などに未解決な問題を残した. 昭和50年より悪性脳腫瘍に術中照射を行っているので, その治療成績を分析した, (B)原体照射:病巣の形状に一致して放射線を集中する原体照射法をコンピュータの制御で実施する方法を諸外国に先駆けて完成し, これまでに19例の脳腫瘍の治療を行った. 方法:4年間にglioblastoma 11症例を含めて13症例の悪性脳腫瘍に術中照射を行った. 治療装置は20McVベータトロンで, 高エネルギー電子線の出力がきわめて安定しており, また照射野の均等性をよくするために工夫した5種類20本の照射筒を製作しこれを使用した.
ISSN:0470-8105