破裂脳動脈瘤急性期・亜急性期の直達手術と術後管理

破裂脳動脈瘤(初回出血および再出血)の患者に対する治療は, 再破裂前に外科的治療を行い, 再破裂予防に努めることが最良の方法である. しかし, 破裂脳動脈瘤の手術時期1)7)8)15)16), 手術方法2)5)6)18)および術後管理10)19)24)についてはいろいろな意見があり, また多くの困難な問題が存在する. 特に急性期ないし亜急性期に直接手術を行った場合には, 脳血管攣縮, 脳虚血, 脳梗塞, 脳浮腫, 脳腫脹そして脳脊髄液の停滞による頭蓋内圧亢進といった一連の病態が患者のmortalityおよびmorbidityに重大な影響を及ぼしてくる. しかし, “delayed operat...

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Published inNeurologia medico-chirurgica Vol. 19; no. 2; pp. 173 - 179
Main Authors 佐藤仁一, 佐藤修, 神谷博, 金沢至, 穀内隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科学会 1979
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Summary:破裂脳動脈瘤(初回出血および再出血)の患者に対する治療は, 再破裂前に外科的治療を行い, 再破裂予防に努めることが最良の方法である. しかし, 破裂脳動脈瘤の手術時期1)7)8)15)16), 手術方法2)5)6)18)および術後管理10)19)24)についてはいろいろな意見があり, また多くの困難な問題が存在する. 特に急性期ないし亜急性期に直接手術を行った場合には, 脳血管攣縮, 脳虚血, 脳梗塞, 脳浮腫, 脳腫脹そして脳脊髄液の停滞による頭蓋内圧亢進といった一連の病態が患者のmortalityおよびmorbidityに重大な影響を及ぼしてくる. しかし, “delayed operation”で上記の病態を最小限にしようとすると, 再破裂または脳血管攣縮による二次的変化のため患者を失うことが少なくない.
ISSN:0470-8105