Cervical Syndromeの成因に関する研究

Cervical syndromeの多彩な症状は他覚的な異常所見の発見される事が少なく, その症状発生機序に関しては依然不明な点が多い. 我々は患者の項部に低周波電気刺激, 振動刺激, 化学的刺激を加えることにより顕著なstaggeringを誘発できることに注目し, これら不定愁訴の発生機序に関して解明を試みて来た. 先ず上部頸神経ブロックでstaggeringは消失ないし減弱することから上部頸神経が関与していると考えられ, 更に求心性線維としては主にgroup Ia fiberが関与しているであろう事は振動刺激(100~200Hz)でstaggeringの誘発をみることから推定される. 又誘...

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Published inNeurologia medico-chirurgica Vol. 13; no. suppl; p. 145
Main Authors 池谷不律, 今井洋輔, 榊原常緑, 石井昌三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科学会 1973
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ISSN0470-8105

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Summary:Cervical syndromeの多彩な症状は他覚的な異常所見の発見される事が少なく, その症状発生機序に関しては依然不明な点が多い. 我々は患者の項部に低周波電気刺激, 振動刺激, 化学的刺激を加えることにより顕著なstaggeringを誘発できることに注目し, これら不定愁訴の発生機序に関して解明を試みて来た. 先ず上部頸神経ブロックでstaggeringは消失ないし減弱することから上部頸神経が関与していると考えられ, 更に求心性線維としては主にgroup Ia fiberが関与しているであろう事は振動刺激(100~200Hz)でstaggeringの誘発をみることから推定される. 又誘発運動失調は脳幹に作用点を持つと考えられるbarbiturate投与, CO_2 吸入にて増強され, CDP-choline centrophenoxine等により安定化する事から上頸部に加わった刺激が直接intersegmentalに四股の筋緊張異常を惹起するのではなく脳幹部を介して行われる反射系が重要な役割を果していると信じられる.
ISSN:0470-8105