一般演題II 4. KTPレーザーを使用し治療した舌血管腫の1例

【はじめに】口腔, 咽頭, 喉頭は血管腫の好発部位であるが, 外科的切除では侵襲が大きく機能障害の危険性がある. KTPレーザーはヘモグロビンへの吸収性が良く血管腫に対して低侵襲な治療が可能である. 今回我々は, 舌血管腫をKTPレーザーにて治療した1例を報告する. 【症例】17歳女性, 幼小児期より舌に小豆大の腫瘤を認めていたが放置. 除々に増大してきたため当科紹介受診. 口腔所見にて舌右側に20mm大の暗赤色腫瘤を認めた. Gd造影T1強調MRI画像にて舌尖右側粘膜下に著明な造影効果を認める17mm×17mm×18mm大の腫瘤を認めた. 血管腫と診断し, KTPレーザーを使用し手術を行った...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本レーザー医学会誌 Vol. 30; no. 4; p. 463
Main Authors 三村英也, 加藤久幸, 岡田達佳, 寺島万成, 木原彩子, 長島圭士郎, 櫻井一生, 内藤健晴
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本レーザー医学会 2010
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:【はじめに】口腔, 咽頭, 喉頭は血管腫の好発部位であるが, 外科的切除では侵襲が大きく機能障害の危険性がある. KTPレーザーはヘモグロビンへの吸収性が良く血管腫に対して低侵襲な治療が可能である. 今回我々は, 舌血管腫をKTPレーザーにて治療した1例を報告する. 【症例】17歳女性, 幼小児期より舌に小豆大の腫瘤を認めていたが放置. 除々に増大してきたため当科紹介受診. 口腔所見にて舌右側に20mm大の暗赤色腫瘤を認めた. Gd造影T1強調MRI画像にて舌尖右側粘膜下に著明な造影効果を認める17mm×17mm×18mm大の腫瘤を認めた. 血管腫と診断し, KTPレーザーを使用し手術を行った. 術中の出血はほとんど認めなかった. 術後3か月経過するが再発なく経過良好である. 【まとめ】532nmの波長を持つKTPレーザーはヘモグロビンに極めて吸収されやすく, また可視光線であるので透明な水にはほとんど吸収されない. これにより切開能, 止血能ともに優れ, しかもヘモグロビンとの吸収性により光凝固が可能なレーザーである. 口腔, 咽頭, 喉頭領域の血管腫の治療にはKTPレーザーは非常に有効であると思われた.
ISSN:0288-6200