9. 胃癌, 食道癌に対するPDTの治療成績

当院でPDT(フォトフリン+エキシマダイレーザー)を施行した胃癌患者は36例(早期33例, 進行3例), 食道癌は3例であった. 早期胃癌でPDTを適応した症例は, ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)の対象からはずれ全身麻酔が安全にかれられない場合と患者が強くPDTを希望した場合であった. 治療効果は早期胃癌33例中25例は治療後経過中一度も生検で癌組織が検出されずCRと判定している. 他の8例はPRとなった. 進行胃癌の3例は腫瘍縮小を認めたものの根治には至らなかった. 食道癌3例中2例がCRとなった. PDTは潰瘍を合併する病変にも容易に適応でき, 癌が粘膜下層にあってもESDより治療効果が...

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Published in日本レーザー医学会誌 Vol. 28; no. 4; p. 426
Main Authors 西脇由朗, 望月聡之, 金井俊和, 山本孝夫, 池松禎人, 木田栄郎, 脇慎治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本レーザー医学会 2008
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Summary:当院でPDT(フォトフリン+エキシマダイレーザー)を施行した胃癌患者は36例(早期33例, 進行3例), 食道癌は3例であった. 早期胃癌でPDTを適応した症例は, ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)の対象からはずれ全身麻酔が安全にかれられない場合と患者が強くPDTを希望した場合であった. 治療効果は早期胃癌33例中25例は治療後経過中一度も生検で癌組織が検出されずCRと判定している. 他の8例はPRとなった. 進行胃癌の3例は腫瘍縮小を認めたものの根治には至らなかった. 食道癌3例中2例がCRとなった. PDTは潰瘍を合併する病変にも容易に適応でき, 癌が粘膜下層にあってもESDより治療効果が高く, 合併症は少なく, 進行癌にも局所的な治療効果があるなどの利点を有している.
ISSN:0288-6200