2. 胃癌治療におけるPDTの位置づけ

【目的】胃癌におけるPDTの有効性について検討する. 【対象】過去7年間に胃癌患者29例(早期癌26例進行癌3例)にPDTを施行した. 方法はフォトフリン2mg/kg静注2日後に(症例により4日後も)病巣に対し5mmの安全域を含めエキシマダイレーザーを1cm2当たり100Jあるいはそれ以上照射した. 【成績】早期癌で3ヶ月以上経過を観た24例中19例(79%)はPDTで治癒しており再発を認めていない. 進行癌3例はいずれも部分的効果を認めた. 【結論】EMRの適応は小さく浅く高分化で潰瘍の伴わないものに限られているが, PDTでは潰瘍の有無は問題なくレーザー光の深達度から考えてEMRよりもより...

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Published in日本レーザー医学会誌 Vol. 24; no. 4; p. 320
Main Authors 西脇由朗, 木田栄郎, 池松禎人, 脇慎治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本レーザー医学会 2003
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Summary:【目的】胃癌におけるPDTの有効性について検討する. 【対象】過去7年間に胃癌患者29例(早期癌26例進行癌3例)にPDTを施行した. 方法はフォトフリン2mg/kg静注2日後に(症例により4日後も)病巣に対し5mmの安全域を含めエキシマダイレーザーを1cm2当たり100Jあるいはそれ以上照射した. 【成績】早期癌で3ヶ月以上経過を観た24例中19例(79%)はPDTで治癒しており再発を認めていない. 進行癌3例はいずれも部分的効果を認めた. 【結論】EMRの適応は小さく浅く高分化で潰瘍の伴わないものに限られているが, PDTでは潰瘍の有無は問題なくレーザー光の深達度から考えてEMRよりもより深い病巣にも有効と考えられる. PDTは低分化癌でなく2cmを超えない深達度SMまでの胃癌であれば充分根治が期待できる.
ISSN:0288-6200