PAD-S31を用いたナノ秒パルス高強度照射によるPhotodynamic Therapy (PDT) (II)

1.はじめに 我々は, 第二世代光感受性物質であるPAD-S31を用いて, 深部治療を目的としたナノ秒高強度パルス照射によるPDTを検討している. 現在までにin vitroの培養細胞系に対してナノ秒パルス光照射によるPDTを検討したところ, 殺細胞効果は光照射強度に大きく依存し, 特に~500 mW/平方センチメートルの高強度パルス光照射では急激な酸素不足により殺細胞効果が低下することが分かった. このことは固形腫瘍に対して深部治療効果を狙ってパルス光による高強度照射を行うと, 表面が治療不足になる可能性を示唆していると考えられる. そこで本研究では, マウス皮下移植腎癌に対してパルス光を用...

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Published in日本レーザー医学会誌 Vol. 22; no. 3; p. 163
Main Authors 川内聡子, 荒井恒憲, 瀬口健至, 浅沼宏, 佐藤裕之, 菊地健司, 佐藤俊一, 菊地眞l, 阪田功, 竹村健, 中島進
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本レーザー医学会 2001
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Summary:1.はじめに 我々は, 第二世代光感受性物質であるPAD-S31を用いて, 深部治療を目的としたナノ秒高強度パルス照射によるPDTを検討している. 現在までにin vitroの培養細胞系に対してナノ秒パルス光照射によるPDTを検討したところ, 殺細胞効果は光照射強度に大きく依存し, 特に~500 mW/平方センチメートルの高強度パルス光照射では急激な酸素不足により殺細胞効果が低下することが分かった. このことは固形腫瘍に対して深部治療効果を狙ってパルス光による高強度照射を行うと, 表面が治療不足になる可能性を示唆していると考えられる. そこで本研究では, マウス皮下移植腎癌に対してパルス光を用いてPDTを行い, パルス光の照射強度とPDTの探さ方向に対する治療効果の関係について検討した.
ISSN:0288-6200