レーザー治療を行った帯状庖疹後神経痛症例の長期効果について

過去1年間に連日1ヵ月以上レーザー治療を継続した入院患者34名の予後について報告する. レーザー平均照射回数は121回で, 神経ブロックや抗うつ薬を適宜併用した. 退院後の経過をフォローしたところ, 以下の傾向が見られた. 1.2ヵ月半の入院治療後, 多くは満足して退院する. 全体をとおして治療終了から6ヵ月程度は同様の状況で経過する. 2. 退院後も外来通院可能な患者は引き続きレーザー治療継続を希望し, 一部には依存傾向が顕著である. 3. レーザー治療を退院後中止した症例は入院中も補助治療を充分受けており, 満足度が高い. 以降6ヵ月ほど同様に経過しているがその後満足度が低下する傾向にある...

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Published in日本レーザー医学会誌 Vol. 19; no. 4; p. 69
Main Authors 沼澤理絵, 大塚浩司, 橋本聡一, 藤井ひとみ, 剣物修
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本レーザー医学会 1998
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Summary:過去1年間に連日1ヵ月以上レーザー治療を継続した入院患者34名の予後について報告する. レーザー平均照射回数は121回で, 神経ブロックや抗うつ薬を適宜併用した. 退院後の経過をフォローしたところ, 以下の傾向が見られた. 1.2ヵ月半の入院治療後, 多くは満足して退院する. 全体をとおして治療終了から6ヵ月程度は同様の状況で経過する. 2. 退院後も外来通院可能な患者は引き続きレーザー治療継続を希望し, 一部には依存傾向が顕著である. 3. レーザー治療を退院後中止した症例は入院中も補助治療を充分受けており, 満足度が高い. 以降6ヵ月ほど同様に経過しているがその後満足度が低下する傾向にある. 4. 入院治療終了時投薬その他の補助治療を必要としなかった症例はその後も必要としない. 経過も安定しており, レーザー治療継続の有無にかかわらず経過良好である. 5. 入院治療終了時投薬を必要とする症例の場合, 投薬を中止しても退院後6ヵ月までは経過良好であるが以降悪い転帰をたどりやすい. 結語 2ヵ月半の連日照射の効果は3ヵ月から6ヵ月は持続すると推測される. レーザー以外の補助治療を要する症例は程度が重いことが多く, 特に投薬に関しては6ヵ月以上継続したフォローが必要と考えられる.
ISSN:0288-6200