低出力レーザーの基礎的研究

近年, 底出力レーザーの除痛効果に関する臨床報告が多く見られるが, 現在なおその作用メカニズムは明らかにされていない. そこで, 我々はその作用メカニズムを明らかにするために, 基礎的研究を行っている. 第11回日本レーザー医学会大会で, ラット足蹠カラゲニン浮腫に対するレーザー照射の影響について発表し, コントロール群と比較し, 照射群では有意に浮腫が抑制され, この傾向は照射側のみならず, 非照射側においても認められ, レーザー照射の影響が照射野を離れた反対側にまで及ぶ可能性があることを始めて報告した. このことよりレーザー照射によるカラゲニン浮腫の抑制効果は, 照射局所での作用以外の影響...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本レーザー医学会誌 Vol. 13; no. 2; pp. 76 - 77
Main Authors 石井準之助, 藤田邦夫, 陳明裕, 島田桂吉, 飯塚譲二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本レーザー医学会 1992
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:近年, 底出力レーザーの除痛効果に関する臨床報告が多く見られるが, 現在なおその作用メカニズムは明らかにされていない. そこで, 我々はその作用メカニズムを明らかにするために, 基礎的研究を行っている. 第11回日本レーザー医学会大会で, ラット足蹠カラゲニン浮腫に対するレーザー照射の影響について発表し, コントロール群と比較し, 照射群では有意に浮腫が抑制され, この傾向は照射側のみならず, 非照射側においても認められ, レーザー照射の影響が照射野を離れた反対側にまで及ぶ可能性があることを始めて報告した. このことよりレーザー照射によるカラゲニン浮腫の抑制効果は, 照射局所での作用以外の影響を受けることが示唆された. そこで今回, これらの影響と神経系とりわけ知覚神経との関係を調べるために, 足蹠部の支配神経の一つである坐骨神経を切断したモデルを作製して実験を行ったので, その結果と若干の考察を加えて報告する.
ISSN:0288-6200